猫を迎えたら病院はいつ行く?初回健診のタイミングと当日までにやること

猫を迎えたその日、病院に連れて行くべきか、それとも少し待つべきか——初めてだと戸惑う方は多いと思います。そう感じる飼い主さんに向けて、この記事では受診の適切なタイミングと、最初の健康診断で行われることを整理していきます。読み終える頃には、いつ・何を準備して病院に行けばいいか、迷わず判断できるようになるはずです。

いちばん最初に確認したいこと|迎え方・先住猫の有無で、受診のタイミングが変わります

動物病院への通院タイミングは、実は「どこから、どんな状態で迎えたか」によって大きく変わります。まずは、自分がどちらのパターンに近いかを確認してみましょう。

パターン迎え方次に読む項目
Aパターンショップやブリーダー、ワクチン接種済みの保護団体から迎えた(先住猫はいない)このあとの「Aパターン」へ
Bパターン先住猫がいる、または野良猫や出自不明の保護猫を迎えたこのあとの「Bパターン」へ

自分がどちらに当てはまるか確認できたら、それぞれのパターンに進んでください。

Aパターン:通常のお迎えの場合|「少し待つ」の目安は、日数ではなく猫の様子で

ショップやブリーダー、ワクチン接種済みの保護団体などから「健康な状態」で迎えた場合は、お迎えした当日のうちに病院へ連れて行くことは避けたほうがよいとされています。移動そのものが猫にとって大きなストレスになるうえ、病院では見慣れない匂いや物音、ほかの動物の気配など、さらに慣れない刺激が重なってしまうためです。

では、いつ受診すればよいのか。目安になるのは日数ではなく、猫の様子です。前のセクションでご紹介したAパターンに当てはまる場合は、お迎え当日を起点に、ご飯をしっかり完食できるようになり、排泄(おしっこ・うんち)も安定してきたかどうかを基準に考えてみてください。

ママちゃん
ママちゃん

うちの子だったら、いつ連れて行ってたかなあ?

この疑問について、わが家がどう考えて行動したかは、このあと「わが家が実践した、初めての通院準備」の中でご紹介します。

ただし、ご飯を食べない状態が続くなど気になる様子があれば、無理に様子を見続ける必要はありません。すぐに病院へ連れて行くべきサインについては、後ほど詳しくご紹介します。

環境に慣れるまでの過ごし方については、お迎え当日にやること・やってはいけないことや、最初の1週間、ケージはなぜ必要か?段階的な部屋慣らしの手順の記事もあわせて参考にしてください。

Bパターン:先住猫がいる・保護猫を迎えた場合|家に入れる前に、まず動物病院へ

前のセクションのBパターン、つまり先住猫がいる場合や、野良猫・出自が分からない保護猫を迎える場合は、Aパターンとは対応が異なります。この場合は、家に連れて帰る前に、まず動物病院に直行することが最優先です。

理由は、外で暮らしていた猫や出自の分からない猫は、見た目が健康そうでも、ノミやダニ、お腹の寄生虫、猫免疫不全ウイルス(FIV)や猫白血病ウイルス(FeLV)といった感染症を持っている可能性があるためです。そのまま先住猫のいる家に入れてしまうと、寄生虫や感染症を先住猫にうつしてしまうおそれがあります。

病院での検査・駆虫が終わるまでは、先住猫と完全に別室で

病院での検査や駆虫処置が終わるまでは、先住猫とは完全に別の部屋で過ごしてもらう必要があります。

しょうちゃん
しょうちゃん

先住猫がいると、ぼくたちすぐには会えないの…?

パパちゃん
パパちゃん

検査や駆虫が終わるまでは、別の部屋で過ごしてもらうことになるんだって。先住猫にノミや病気がうつってしまわないようにするためなんだね。

この記事では、受診が終わるまでの隔離についてご紹介しています。受診後、先住猫とどのように対面させていくかについては、この記事の範囲を超えるため、別の記事で扱います。

先住猫がいる場合の準備については2匹目を迎えたいと思ったら|先住猫のために知っておきたい多頭飼いのポイントを、保護猫を迎える際の基礎知識については保護猫・ペットショップ・ブリーダー、それぞれの違いとリアルな話をあわせてご覧ください。

受診前に準備しておきたいもの・観察しておきたいこと

病院に行くと決まったら、事前に準備しておきたいものと、観察しておきたいポイントがあります。

持ち物リスト(チェックリスト形式)

  • キャリーケース(扉がしっかりロックできるもの。上部が外れる分割式だと診察がスムーズ)
  • 目隠し用の大きめのタオルや布
  • 当日採取した便(ラップや密閉容器に入れる)
  • これまでの医療データ・生年月日や食生活のメモ

キャリーケースの詳しい選び方は、キャリーバッグの選び方と、嫌いにさせない慣らし方で紹介しています。

病院で聞かれることを先にメモしておくと安心

診察では、普段の様子について聞かれることが多くあります。あらかじめ、次のような点を振り返っておくと、当日スムーズに答えられます。

  • 1日の食事量・水分量
  • 尿や便の回数・状態
  • くしゃみ・目やに・鼻水・咳の有無

歩き方の違和感など、言葉で説明しにくい様子がある場合は、スマートフォンで動画や写真を撮っておくと、獣医師さんに伝わりやすくなります。

わが家が実践した、初めての通院準備

わが家の場合、しょうすけとゆうまとで、初めての通院までの経緯が少し違いました。

パパちゃん
パパちゃん

しょうすけはペットショップからのお迎えだったから、わりと余裕をもって初回受診できたみたいだね。2か月ちょっとで迎えたから、1回目のワクチンはペットショップで済んでいて、2回目の接種のときが初めての受診だったって、ママちゃんが言ってたよ。

一方で、ゆうまの場合は少し事情が異なっていました。

ママちゃん
ママちゃん

ゆうまはブリーダーさんからお迎えするときに、耳ダニがいたり、便から回虫が出たりしていて。だから、期間を置かずにお迎えの翌日には病院に連れて行ったの。ちょっと特別なケースだったと思う。

迎え方や、迎えた時点の状態によって、初回受診までの流れはこんなふうに変わることがあります。気になる様子があれば、無理に待つ必要はないのかもしれません。

初回健診では、こんなことが行われます

初回の健康診断では、まず基本的な身体検査が行われます。問診・触診・視診・聴診に加えて、体重や体温、心拍数、呼吸数の測定、口の中や耳、目、皮膚のチェックなどがひととおり行われます。

あわせて、持参した便を顕微鏡で確認する便検査も行われます。

先住猫がいる場合や保護猫を迎えた場合は、これに加えてFIV・FeLVの検査や、駆虫処置も行われます(詳しくは前のセクションでご紹介したとおりです)。

ワクチンの相談も、このタイミングで

初回の受診は、ワクチンの時期やプログラムについて相談できるタイミングでもあります。具体的な接種スケジュールについては、この記事の範囲を超えるため、別の記事で扱います。

様子を見てよいとき、様子を見ずにすぐ病院へ行くべきとき

お迎え直後は、ちょっとしたことでも心配になりますよね。ここからは、様子を見てよい場合と、様子を見ずにすぐ病院へ行くべき場合について、猫実先生と一緒に整理していきます。

まず確認:症状がなくても、これに当てはまるならすぐに

誤って何かを飲み込んでしまった可能性がある場合は、症状の有無にかかわらず、様子を見ずに受診を検討してください。誤飲・誤食への詳しい対応は、猫に危険な観葉植物・家庭用品リストでも紹介しています。

様子を見てよいとされる状態

目立った外傷や呼吸の異常がなく、元気であれば、移動直後の一時的な我慢はしばらく様子を見てよい場合もあります。

様子を見ずに、すぐ動物病院へ

次のような様子が見られる場合は、様子を見ずに動物病院へ相談してください。

サイン補足
おしっこが1日以上出ていない気づいた時点を起算点に、様子を見ずに受診を検討してください
ぐったりして、呼びかけへの反応が薄いいつもと違う様子が続く場合は早めに相談を
口を開けて苦しそうに呼吸している普段は口で呼吸をしない動物のため、注意が必要なサインです
何度も激しく嘔吐を繰り返す一度だけでなく、繰り返す場合は様子を見ずに
食欲不振が丸一日以上続く体格や年齢によっては、負担が大きくなりやすい場合があります
猫実先生
猫実先生

こうした様子が見られたら、様子を見続けるより、早めに相談していただくのが安心につながるかもしれませんね。

自宅でやってよいこと・やってはいけないこと

キャリーから出てこない場合は、無理に引っ張り出そうとせず、タオルをかけて静かに待ってあげてください。意識がある状態での低血糖が疑われるときは、糖分を口の中に少量与えるという対応もあります。

猫実先生
猫実先生

一方で、意識がない状態やけいれんを起こしている場合に、無理に口へ液体を流し込むのは避けてくださいね。それから、嫌がるキャリーから無理やり引っ張り出すのもNGです。落ち着いて、病院での指示を待つようにしましょう。

パパちゃん
パパちゃん

なるほど、よかれと思ってやってしまいそうなことでも、逆効果になる場合があるんだね。

こうした自宅での対応には限界があります。点滴や導尿、酸素室での管理、抗原抗体検査といった処置は、病院でなければできません。気になる様子があれば、自己判断で様子を見続けず、早めに相談することが大切です。

わが家が実践した、待合室での過ごし方

待合室やキャリーの中での過ごし方も、しょうすけとゆうまとでは少し違いました。

パパちゃん
パパちゃん

しょうすけは移動中のキャリーの中では結構鳴くんだけど、内弁慶なところがあって、病院に着くとすっかりおとなしくなるんだよね。待合室でも静かにしてる。ただ、ワンちゃんの視線とかでストレスにならないように、外が見えないようにキャリーの向きは気をつけてるよ。

ママちゃん
ママちゃん

ゆうまはマイペースだから、移動中のキャリーの中でもぼーっとしてることが多いかな。待合室でものほほんとしてるんだけど、犬や他の猫よりも、知らない人間のほうが苦手みたいで。だから、こちらも外が見えないようにキャリーの向きには気をつけているよ。

2匹とも、キャリーの中で激しく暴れることはあまりないそうです。とはいえ、キャリーの中で暴れてしまう猫を見かけることもあるので、その子によって様子はさまざまなのかもしれません。

まとめ

パパちゃん
パパちゃん

最初は、いつ病院に連れて行けばいいのか、正直迷ったよね。

しょうちゃん
しょうちゃん

先住猫がいると、すぐには会えないこともあるんだね。ちょっと寂しい気もするけど、そういうものなのかなあ。

ゆうまさん
ゆうまさん

あのね、病院に行くときって、みんな緊張してるのかなあ…? ぼくはわりとぼーっとしちゃうけど。

ママちゃん
ママちゃん

この記事を書くまで、受診のタイミングを日数で考えがちだったけど、猫の様子を基準にすればいいんだって分かって、少し気が楽になったかも。

パパちゃん
パパちゃん

そうだね。迎え方によって最初の動き方が変わることや、準備しておくと安心なものも整理できたし、これから迎える人の参考になったらうれしいな。

猫実先生
猫実先生

受診のタイミングは、お迎えの状況や猫の様子によって変わってきます。今回ご紹介したポイントを目安にしていただきつつ、気になることがあれば、無理に様子を見続けず、早めに獣医師さんに相談してみてくださいね。